July 2024

vol.37「まだ見ぬ未来」を、次のレールは指し示す

(ライター:弓指利武、音声:井本ゆうこ) 一世を風靡したアーケードゲーム『スペース・インベーダー』が登場したのが1978年。日本経済が上向かず、1ドル200円にまで円安が進行したその時を同じくして、海援隊がリリースした『思えば遠くへ来たもんだ』が大ヒットする。 コスモスの花をゆらし、貨物列車が走り過ぎる。その冷たいレールに耳を当てて、まだ見ぬ異郷の地を想像していた。故郷を離れてあれから6年、「思えば遠くへ来たもんだ」という歌だ。 今であれば、電車のレールに耳をあてただけで不届き者呼ばわりである。あの頃は故郷を離れる物理的距離が、いわば「遠く」を指していた。 ツーリストシップにとっての「思えば遠くへ来たもんだ」は、少し違う。立ち上げた当初に比べ、人も資金もある程度潤沢になってきた。逆境しかなかったあの頃を思えば、今はそれこそ「思えば遠くへ来たもんだ」となる。物理的な距離ではなく、運営としての展望であり、組織としての底力だ。 講演会の数も増え、価値を提供できる品質が日に日に上がっている。そういう実感を田中代表は確実に持ち得ている。ただツーリストシップを訴えるだけではなく、その土地で求められるニーズに寄り添い、様々なエピソードを踏まえ、題材に応えられる自信がある。こんな光景を当時は想像していなかった。あの頃感じたレールの冷たさは、今となってはもう正確に思い出せない。走り続ける人間にとって、振り返る時間はあまり得意ではない。 かといって、もう目指すレールがないわけではない。組織作りを通じて、もっと大きな、グローバルなオーダーにも応えられる視座と見識を持つことだ。そのことが田中代表の大きなモチベーションになっている。 偶然にもこのタイミングで、実家が京都に移った。原点の地・京都に「戻る」理由が生まれたのである。田中代表にとっての故郷が、以前感じたあのレールを伝い、舞い戻ってきた。「思えば遠くへ来たもんだ」が一段と身体に染みる。 野望は尽きない。そのための準備も惜しまない。途上にあるそのレールの上で、もがく田中代表の姿があった。「思えば遠くへ来たもんだ」の歌詞はこう締めくくられる。 ここまで一人で来たけれど思えば遠くへ来たもんだこの先どこまでゆくのやら 奇しくも今、日本経済は上向き、しかし円安は歯止めが効かない。実に複雑な世の中になった。世界も、日本社会も、ツーリストシップも、実はまだ見ぬ「この先」を、見つめているのだろう。 実はこの歌詞は少しだけ、ツーリストシップと異なる点がある。「ここまで一人で」来たわけではない。そしてこの先、田中代表が「誰をバスに乗せるのか」。一層の生命線になることは、間違いない。

vol.36 旅先クイズ会で、英語の習得を決意したわけ

人生一度でも、「ああ、英語習いたい」と思ったこと、あるんじゃないでしょうか。 かくゆう私も、何度もそんな想いを抱いては挫折し続けてきた人間です。思い立って英会話教室の無料体験に顔を出し、コロナ禍の煽りでリモートで習得できますという謳い文句になびいたかと思えば、「ここは決意の独学だ」と書店に足を運んでは挫折の階段を登る。 その志半ばにひれ伏す理由ははっきりしている。動機が薄い、または不純だからだ(実体験より)。 旅先クイズ会を繰り返す中で、田中代表は改めて、その英語の重要性に気づかされた。日本人の会話は、片言であれ何であれ、冒頭の会話こそすれ、その次が生まれない。対話にならないという。 ツーリストシップの名にかけて、田中代表は今、英語の勉強に励んでいる。遅いって?否、彼女のその実体験、英語での「対話」こそツーリストシップに不可欠であるという、純な想いがあってこその決意なのだ。 95歳のおばあさまが、突然英語を習い始めた。理由を聞いて唖然とした。「将来英語が必要になるからだ」。そんな話をふと思い出した。コミットの濃淡は人それぞれだ。良いも悪いもない。しかしその切迫感は、恐らくはこの先の未来をどれだけリアルに、そして自分事として捉えたかどうかに掛かっている。英語の習得の必然性は、実は社会や周りからは生まれない。今ここを生きる、私の中から沸き起こるものだ。そうでなければ私のように、薄くて不純な動機もあって、簡単にさじを投げるわけはないのである。それもまた乙な話と片付けてもいいが、英語の目的は対話である。田中代表は旅先クイズ会で、本気で対話の必要性を体感した。この実感に勝るものはない。私にすれば、不純な動機駆動で手を挙げた自分を呪う。金髪のお姉さんに「HELLO」なんて言えた話ではない。やはり未来は、その動機の広さと深さに比例して現実になる。そのことを身をもって、田中代表の決意から学ばされた。 もし、それでも、どうしても、英語を習得したいと思っている皆さん。是非旅先クイズ会にお越しください。そこで出会う海外からの観光客の皆様は、色んな想いをもって、そして不安を抱きこの日本に立っています。強張った心をやわらげ、対話で持ってツーリストシップを体現する未来への対話を、贅沢にも体験することができるはずです。 「ああ、英語習いたい」 その嘆きを、旅先クイズ会で大いに発揮され、一人でも多くのツーリストシップが、どうか花開きますように。