January 2023

Vol.003 ツーリストシップの難しさと、だからこその意義に触れた淡路島ツアー

今更ながら改めて思うことがある。これをご覧いただいている「あなた」という存在の、奇跡の凄味である。 この一般社団法人ツーリストシップWEBサイトの、ツーリストシップとは?というサイトの、更に「もっと詳しく知りたい方は」の3つのサイトの中の1つがここなのである。森の中をかき分け、いくつもの好奇心の障壁を乗り越え、今ここにたどり着いた、まさに辺境の旅、奇跡の出逢いに立たんとする、あなたの存在感の大きさを思うのである。 ツーリストシップメンバーが、まさにツーリストシップを体現するべく、自らが旅行者として淡路島を訪問した。“This is TOURISTSHIP“よろしく、観光客の目線で観光地を巡り、そして観光客を出迎える方々とも対面し、議論を重ねる。 「すぐ忘れちゃう、ツーリストシップを。」 充実の2日間を振り返り、田中代表はこう呟いた。広める本人が何を言い出すか、という批判はむしろ野暮である。この正直な実感との出逢いこそ大きな価値であることを、声を大にして言いたい。 出逢う観光客の方に積極的に話しかけ、写真撮影をお手伝いした。誰にでも挨拶をし、京都みやげのお菓子を振る舞いもした。気合満点で向かった淡路島での二日間でさえ、「すぐ忘れちゃう」のである。まさに観光客目線に立った本音であり実感が、伝播の起点になる。だから、ツーリストシップの意義が際立つのである。  出向いたことで初めて知ったことがある。都会の観光地よりも、自然あふれる山間のそれの方がむしろ、放置されるごみが多い。街中だとボランティアの方々が活動しやすいが、山の中だとそうはいかない。何年も置きっぱなしのゴミが多い理由はそれである。  観光客を出迎えるホテルの従業員の方々も、ツーリストシップのメンバーだ。総支配人とのお話で分かったことは、従業員の方が何よりも嬉しいのは、部屋に設置されたメモに一言、誰のどんなサービスが良かったか、ちょっとでいいので書いてくれれば、明日への活力になるそうだ。一つひとつの出逢いの連鎖、小さくも尊い、奇跡の凄味ではないか。  出逢うことで分かったこともある。「写真撮りましょうか」と急接近しては警戒される。「私たちも撮ってほしいので」と一言添えると、そうですかと胸襟を少し開いてくれた。こんな一つひとつは、その場に行って、やってみないとわからないことだろう。 一つひとつが出逢いであり、奇跡の凄味に違いない。「忘れちゃう」からこそ、ツーリストシップがある。その価値に触れられた2日間だった。森の中をかきわけて“ここ”に来てくれた、そう、あなたもまた、しかりである。

Vol.002 ブース出店で、ツーリストシップを広げる価値

ドシーンとしてる。  冒頭から悪ふざけを企んでいるわけではない。この、端的で明快な感動詞が、今後ツーリストシップが最も重要視する音であり、詩(うた)である。上から重たいものが落ちてきた音でもなければ、ある日の私が痛恨の親父ギャグを全開させ、こんなにもシーンと静まり返ることがあるのかという、そんな痴話話をさらけ出したいわけでもない。この音こそが、田中代表の想いを表す、現場に根付く痛恨の感動詞なのだ。  選ばれなければ 選べばいい  国民的大ヒットしたアニメ「鬼滅の刃」。その主題歌『残響賛歌』の一節だ。何かと「認証」に目がいき、スケールメリット偏重になりがちな昨今。大事なのは何かのお墨付きや誰かに選定される価値ではなく、私自身がそれを手に取り、自らが求め続ける胆力である。ツーリストシップは今、自らの足と耳で、本気で現地に根を張り、一人一人の声に寄り添おうとしている。選ばれる必要はない、ツーリストシップがその行動を「選び」、コミットする。  毎月7日間をかけ、ツーリストシップを伝える。観光客一人ひとりに声をかけ、どこから来たのか、何を求めているのか、まさに対話形式で関わり合う未曽有の企画だ。クイズを交えて楽しい旅行の1ページに加えてもらうだけでなく、対話するからこそできるツーリストシップの意義を感じてもらう。 企業スポンサーも月額5万円で募る。企業が観光客に聞きたい事を、まさに対話形式で聞ける贅沢な時間を思えば、決して高い買い物ではない。この地に訪れる一人一人への、渾身のフィールドワーク。着色なし、飾り気無の、体を張ったマーケティングであるから、気合が違う。彼女が思わず口にした、「何て言うかその、ドシーンとしてるんですよね、向き合う事って。しっくり感があるというか。ちゃんと出逢いたいというか」という言葉も、頷くしかない。 『残響賛歌』には、他にこんな歌詞がある。 この先どんなつらい時も 口先よりも胸を張って 抱いた夢の灯りを全部 辿るだけ 逃げ出すために ここまで来たんじゃないだろ? 一人一人に向き合い、安きに流れず、その場に根ざし、堂々と胸を張って行動することこそ、ツーリストシップが本当の意味で広がる何よりの最善手であることを、既に田中代表は見抜いていた。これが世界で回り始めた時、ドシーンという音は『残響賛歌』にも引けを取らない、太くて深い、詩(うた)になる。

Vol.001 ツーリストシップの道しるべ ~年間計画いよいよ決まる~

十数メートルもあろうかという高い飛び込み台を経験したことはないが、市民プール程度なら立ったことがある。単なる錯覚かどうかは分からないが、下から見上げるよりも、実際に立った方が高く感じる。好奇心に任せて登り、いざ見下ろした時の高揚感と後悔が交差する複雑な感情は、今思い出すだけでも胸が締め付けられる。 ツーリストシップが、「飛ぼう」としている。 田中代表に今年の目標を聞いた。旅行者、観光地、住民との「三方善し」を目指し、もしかしたら独自の感性で突き動かしてきた。例えばブレスレットに思いを馳せ、呼ばれればどこへでも足を運んだ。しかし今年は、意図をもって、具体的に目指す一里塚を設定した。だからだろうか、彼女の声色が、その目線が、すっと前を向いた気がした。 例えば飛び込み台に立った時、足がすくむのは下を見るからだ。そして高く感じるその落差に人は慄(おのの)く。やめておこうかと、心がざわつく。「落差」に焦点が向くからだ。 彼女の決意に満ちた高揚感は、心のざわつく介入を許さない。ただ静かに、そして熱く、前を見る。私にしかできないジャンプが、その高台から、やがて叶う時が来る。その最初の凛とした姿が、電話越しに感じられた。前を向くその目線に「落差」の悲壮感はない。あるのはその先にある希望だ。だからツーリストシップは、「飛ぼう」としている。 今年はたくさんの旅行者と会う。そして、旅行者が何を考えているのか、何を思っているのか、ただ懸命に、一途に、耳を傾ける。まずはこの実直でリアルな「地場」に目を向けた。大きなツーリストシップのうねりは、一人ひとりから生まれていく。そのリアリティに向き合う2023年を、イメージしている。 体験型にもこだわる。旅行者が喜ぶこと、例えばスポーツで汗を流すことも、ツーリストシップに通じるだけでなく、その場でしか経験できない価値であると捉えた。そこから生まれるコミュニティは、たくさんの価値を育むに違いない。前を向いたその瞳に、迷いはない。 ツーリストシップが、「飛ぼう」としている。 飛び込み台が怖い? それがどうしたと、言わんばかりに。 ツーリストシップ研究所 所長