【理事取材特集⑥】抱理事 インタビュー

抱 厚志

一般社団法人ツーリストシップ理事

大阪府で生まれ育ち大学卒業後は三菱事務機械株式会社(現 日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社)で約10年生産管理システム構築に従事。退職後1994年に株式会社エクスを設立し、代表取締役社長に就任。学生の頃からの夢だった会社経営を実現。製造業向け生産管理システム「電脳工場 for Windows」を開発、販売。代表取締役としては生産管理システムの構築支援や講演会、執筆活動を行っている。

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抱理事からの一言

タビ前の下調べがタビ中の密度を高める

非日常での出会い、経験が自分を成長させる一歩に

 代表の田中さんとは学生の頃からの知り合いで、私がある経営者会の講師として登壇した時に田中さんがご来場され、ご縁ができました。田中さんの情熱やツーリストシップの素晴らしさを知り、自分の社会貢献への希望もあり、理事に就任させていただきました。他の理事の皆さんは観光に関するお仕事に従事されている一方で、私からは経営の視点からアドバイスをさせていただいています。しかし、そんな私自身旅行は非常に好きです。特に若い頃から一人旅に出かけることも多く、バイクに乗って北海道や沖縄に行きました。「一人」という状況のちょっとした緊張感が好きです。最近は家族(愛犬も連れて)で出かけることが定番になりました。旅先でのペットマナーにも気を使っています。

 ツーリストシップに出会ってから旅行でも以前より意識するようになったことが多いように、ツーリストシップは旅行者を「育成する」という目的もありますよね。経営者視点ではありますが、人を育成するにあたり特に大切なことは第一に自分を大きく成長させるための志を持たせること、第二に失敗から学ばせることです。失敗という結果に終わっても挑戦したのであれば、評価します。最も良くないことは失敗を恐れて挑戦しないことですね。リスクを取らないことが一番大きなリスクになることも多いのです。人を育てることが自分の成長や会社全体の成長にもなると思います。

 実はツーリストシップを知る前から実践していたことは旅行先の事前の下調べです。インターネットや雑誌、本など様々な媒体を通して十分に調べます。地理や歴史、風土も調べ見えているものの背景を理解することで、旅行の間の時間の密度を高めることができると思います。ビスマルクの「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉が好きなんですが、歴史から大切なものを学び、喜怒哀楽を超えた賢者の旅行をするように心がけています。旅行先の歴史に溶け込み、その地で新しい観光の歴史を作っていくようなそんなツーリストシップを発揮する旅行者が増えると良いですね。

 旅行が人にもたらす価値は旅行者の数だけあることを前提として、私にとっての旅行の価値は2つあります。1つ目は「日常の再認識」です。旅行という非日常の中で新しい人と出会い、新しいことを経験することで日常で当たり前にあるものや人の価値を再認識する場面でもあると思います。2つ目は「人間力の涵養」です。すなわち、自分の成長と変化ですね。「人間」は「人」の「間」と書きますが、非日常である旅行体験が自分への刺激になり、「人」として成長する。さらに、非日常だからこそ巡り会えた人々との出会いによってたくさんの「間」を作る。人の成長と間の拡張を繰り返すことで「人間力」というのではないでしょうか。今後もツーリストシップを発揮しながら人間として成長できる旅行を心掛けたいと思います。

取材を終えて…

長年会社の経営をされているからこその人の育成についてのお話や事前に下調べで幅広く情報を得ることの大切さが非常に勉強になりました。また、哲学的な視点をお持ちの抱理事のお言葉に感銘を受けることばかりでした。

神奈川大学 4年生 春田菜々美

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