【理事取材特集①】田辺孝二理事 インタビュー
田辺 孝二
一般社団法人ツーリストシップ理事
1952年生まれ。東京工業大学名誉教授。イントロン・スペース株式会社 共同創業者・取締役。WAA(We Are Asian,アジア人の会)代表世話人。
田辺理事からの一言
ツーリストシップを発揮しながら越境しよう!
コロナになってから海外旅行には行っていませんが、最近はツーリストシップの活動もあり国内旅行に行くことが多くなりました。
2001年に早稲田大学で講義を始めた時から毎年2,3回シンガポールやベトナムなどアジアの国々に学生と現地研修に行きました。日本語を勉強している現地の大学生と交流したり、日系企業や政府機関などを訪問しました。
私自身が旅行する際に意識していることは「人との交流」です。現地の美味しい物を現地の人が教えてくれます。例えば、ベトナムに行った時に現地の方の紹介でピザを食べたことがあるんです。最初は「ベトナムでピザはちょっと・・」と思っていたのですが、食べてみると非常に美味しかったです。現地の人と交流することで予想していなかった良い経験ができました。
ツーリストシップを考えるために、望ましい観光を考えると、人にもたらす「4つの価値」が見出せるのではないでしょうか。
1.自分にとっての価値 :楽しむだけではなく、自分自身が進化する
2.社会にとっての価値 :マナーが守られ、サステナブルになる
3.観光地にとっての価値:取り組みが観光者に応援・鼓舞される
4.未来にとっての価値 :互いを知り、世界のより良い未来を創る
過去から引き継いだものだけではなく、今取り組んでいるものを見てもらうからこそ良い観光地が作れます。そのためのパートナーが観光者です。観光地の取り組みを観光者に賛同してもらうことで、共生・共進化する未来を創ることができるのではないでしょうか。これらの1から4の価値を生み出すものがツーリストシップだと考えています。ツーリストシップに基づく観光や交流が世界のより良い未来を創るものになればいいですね。
最後に皆さんへのメッセージを送ります。「越境」しましょう!最近の若者には「コスパ」「タイパ(タイムパフォーマンス)」が重視されているようですが、無駄に思えることが、後になって実は役立つということが真理です。行動したことは無駄ではないのです。自分の専門や好みに囚われずに、知らない世界や分野に「越境」して理解を深めることで良い化学反応が起き、自分の成長になると思います。旅行においてもツーリストシップを発揮しながら越境してみましょう!
取材を終えて…
一番最初の取材先だったこともあり、非常に緊張してしまいました。ですが、田辺さんの温厚な話し方で緊張も和らぎ、タイパという若者言葉も使いながら大学生へのメッセージを送ってくださり、充実したインタビューになりました。
神奈川大学 4年生 春田菜々美