どうやって旅行をしたら、旅先の人と仲良くなれるだろうか? クジラとサメの旅行を見ながら、一緒に考えることができます。 また、旅行の魅力についても知ることができ、これから様々なところに出かけ、広い視野を持って羽ばたくきっかけになるかもしれません。
「ツーリストシップ」という言葉を目にしたことはありますか。ツーリストシップは、tourist=ツーリスト(旅行者)に、ship=シップ(接尾辞)がついた言葉で、スポーツマンシップの旅行者版です。一言で言えば、「旅先を大切にする旅行者の心構え」のことです。
今、「オーバーツーリズム」の問題が、世界の注目を集めています。一つは、住環境の悪化です。現在、多くの地域で、「住む」住民と「訪れる」観光客の両立ができず、たとえば、過度な混雑、昼夜を問わずの騒音、様々なマナー違反などが起きています。さらに、旅先地域の自然環境・文化環境・経済環境に対する影響です。国家として観光産業をこれからも推進するなら、そして私たちがこれからも旅行という趣味を楽しむには、これらの様々な弊害と向き合い、解消していく必要があります。その切り札が、本書でご紹介する、旅行者の心構え「ツーリストシップ」なのです。
千葉県生まれ。京都大学在学中に長期休暇の度に東アジア・東南アジア・中央アジア・ヨ一口ツパなどへ足を運ぶ。京都市が観光都市として経済的利益を受けつつも、観光客の受け入れと住環境の調和に課題を持っていることを知り、「住む」と「訪れる」が両立する街を築けないかと活動を開始し、19年一般社団法人CHIE-N0-WA(のちにツーリストシップに改名)を設立。
20年観光庁より発行された、国際基準に準ずる「日本版持続可能な観光ガイドライン」にて、持続可能な観光の実現に向けた先進事例として紹介される。21年より、観光客が観光地に与える影響にこそ可能性を感じ、世界に先駆けて「ツーリストシップ」の提唱を始める(商標登録済)。大学卒業後、社会起業家として異例のプロ契約をダイドードリンコ株式会社と締結。22年法人名を一般社団法人ツーリストシップに改名、理事に観光庁の元長官や大手旅行代理店の元役員、教授が参画し、ツーリストシップの普及に向けて再始動する。現在、修学旅行生のワークショップや観光事業者・自治体・大学での研修や講義を受け持つ傍ら、毎月観光地でブースを出店し、自ら一般観光客へツーリストシップの周知を行う。一般社団法人ツーリストシップ代表理事。同志社大学嘱託講師。京都観光サポーター。
ツーリストシップについて、体系的にまとめた初の本となります。全ての旅行好きの皆さんに届くように、書きました。一度読んでいただいたら、皆さんの旅行への思いは、きっと変わると思います。ぜひ、旅行のお供に、ツーリストシップを。